SSブログ

清原引退に寄せて [野球]

清原が10月1日のソフトバンク戦で引退しました。過剰な演出の賛否はともかくとして、これほどの盛り上がりをもって引退試合が行われた選手というのは、プロ野球史上振り返ってもそう多くはないでしょう。高校時代から25年間、野球界のエリートとして君臨してきた選手の最後を飾る派手なものでした。

西武と巨人で8度の日本一。通算525本塁打、1530打点とそれぞれ歴代で5位、6位に当たる成績を残した大打者であるにもかかわらず、清原を見る多くの人に共通するのは「もったいない」との思いでしょう。単にタイトルが取れなかったからだけではなく、才能を無駄にしたと思っている人が多いのではないでしょうか。清原に対する「練習してない」は仲の良かった元木に向けられるそれとは意味合いが違ったと思うんですが、ストイックに野球に打ち込めなかったイメージは清原の野球人生に一定のレッテルを貼ってしまっているように思います。それはやはり残念なことです。

なんとなく思うのですが、彼の成績は他にもチームを引っ張る選手がいる時代(大エースと人望ある主将がいたPL時代、92年までの言わずもがなの西武黄金期、巨人では松井4番時代)は良好で、名実ともにチームの第一人者として扱われている時代は低調です。清原を評して「個人を殺してチームに貢献できる」とよく言われますが、PLの中村監督も西武森監督も言っているのでそのとおりではあるのでしょう。ただ、清原の本質は主従の従であってチームの主として活躍することは彼の得手ではなかったのかもという気がします。ドラフトの無念も日本シリーズの涙も巨人への思いを消せなかったように、彼の心の中にはいろいろプロとして割り切れない(弱さといってもいいのかな?)部分があって、この点は清原の才能を評価しつつもその結果を惜しんだ落合や野村、江夏あたりの割りきった姿勢とは一線を画する、清原の限界ではあるのでしょう。

とはいえ、清原のすごさというのは細かく切り分けていって考えるものではなく、16歳のときから今まで続く「なにかとてつもないイメージ」みたいなものがあって、オールスターの活躍や史上最多のサヨナラホームランに見えるように注目の中でいい結果を残してきたからこそ、パリーグの歴代のエースたちはそれに立ち向かい名勝負を生んできたし、ファンもついていったのでしょう。自分は西武時代から清原は決して好きな選手ではなかったのですが、気がついたら西武球場の三塁側の近鉄ファン(友人が近鉄ファンだったので三塁側に入ることが多かった)たちの中ででも清原に声援を送っていました。ああ、きっとそういうものをもって「オーラがある」というのかもしれませんね。やはり稀代の大打者ではあったのでしょう。まずはゆっくり休んでください。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0