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野球昔語り [野球]

ちぃといつさんのとこで私の発言が引用されてたので、ちょっと昔語りを。向こうに書くようなことではないし。まったくとりとめもない話。

前提として私は西武ファンであり、パリーグファンであり、アンチ巨人です。巨人やその周辺に対して悪意のある部分も以下の文章にはありますが、ご了承ください。

ちぃといつさんの記事で出てくる私の発言は、以前ちぃといつさんと野球談義をしたときに出てきた1990年前後の私の発言です。

西武黄金時代の初期は渡辺久、工藤、秋山といった若くてさわやかな連中が「新人類」などと持ち上げられベビーフェイス扱いだったのですが、10.19以降風向きが変わります。西武に対し読売系のマスコミや巨人に好意的なサンスポなどがあまり好意的でない報道をしはじめます(最たるものが「やりたければどうぞ」に係る報道であり、94年日本シリーズの第6戦で試合前にもかかわらず東京ドームの電光掲示板で森辞任を報道したりしたやり方です)。

1990年は巨人と西武が大きな差をつけて優勝しましたが両者の野球は結構似ていたように思います。先発投手が優秀だったこと(Gは桑田、斉藤、槙原など・Lは渡辺久、渡辺智、郭など)、1番に俊足、2番に器用な選手がいたこと。クリーンナップが強力であったこと。共通点が多くあります。
ただ、一部の解説者を中心に西武の野球は面白くないという見方がありました。曰く初回から送ったりするような野球は王者の野球じゃない云々、せこい等々。たしかに初回から辻が出て平野が送るのは高校野球のようかもしれません
それに対して、巨人も緒方が塁に出て川相が送り、クロマティ・原で返す野球をしていました。巨人は89年に日本一になっていた王者です。にもかかわらず彼らにせこいとの評価はなく、むしろ藤田野球の象徴として堅実さを評価されていました。

藤田元司は間違いなく名将ですし、緒方や川相もいい選手でした。私も彼らの評価を損ねるつもりは当時もありませんでした。ただ、やっていることは森や辻、平野と同じです。でも評価が違う。当時の私は高校生でしたから、そうした一部マスコミのダブルスタンダードが許せませんでした。

「川相のバントは堅実で、平野のバントはせこい。どこが違うんだよ」

そうした黒いオーラを伴う鬱屈した気持ちはすべてまとめてその年の日本シリーズで晴らしてくれました。4連敗後、敗れた巨人の岡崎が「野球観が変わった」と語りましたが、ただ、西武野球の評価自体はあまり変わらなかったように思います。それは今に引きずったままだと思います。今でも黄金時代の西武野球をつまらないと思っている人は多いのではないでしょうか。

実際には盗塁もエンドランもリーグトップクラスだった。ホームランもリーグ1位だった。戦術のオプションの一つにバントがあったということなのですが、それを象徴として西武野球がつまらないといわれ続けられるのは残念でなりません。まあ、いまならそういったものは、冷ややかに見ているだけですが、それが我慢できないくらいあのころは若くて熱かった。あの発言は、そういった思いの象徴です。

余談ですが、今、巨人の野球がつまらないといわれます。確かにつまらない。これにはいろんな側面があると思うのですが、この時代の西武野球の否定がひとつの遠因ではないかと思います。巨人も似た野球をして、しかも強かったのだから野球観を変える必要はなかった。でも否定してしまった。それが豪華補強による大鑑巨砲主義となり、今の巨人の低迷と野球のつまらなさを呼んでいるような気がします。
私の年代の巨人ファンで藤田時代の巨人を懐かしく思う人は多いと思います。あの時代の巨人の野球は面白くありませんでしたか?それは、決して強かったからという理由だけではないと思います。それぞれの選手が役目を果たし個性があったから面白いと思えたのではないでしょうか。それは西武も巨人も同じだった。それをせこいと評して捨ててしまったことが今に至って響いているように思えてなりません。

今のロッテにあって巨人にないもの、でもかつて持っていたもの。盟主であり続けたいなら巨人のフロントには面白い野球ってなにか良く考えてほしいなあと思います。


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