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世界樹の迷宮雑感 [ゲーム]

片手に握る白紙の地図を少しずつ埋めつつ奥へと進み、厳しい戦闘の果てにたどり着く迷宮の正体は?長くかかりましたが、ちょっと前にようやくエンディングまで辿り付きました。というわけで感想を。
(以下、なるべく配慮してますがネタバレありのためご注意ください)

迷宮の謎を解き明かし…というのが目的ですが、このゲームの明かすべき「謎」はラスボスの握る迷宮自体のもつ目的なんてものではなく(大体予想のつくようなものでしたし)、やはりマップでしょう。ちくちくとマップを埋め、世界の広がりと成長する自分たちの強さを感じるのが楽しかったです。そして、その単調に見える作業に強い達成感を与えるのが、強力なモンスターたちとの戦闘です。マップを少しでも埋めて生き延びて帰ってくる喜びがすごく大きい。

たとえば1階で毒蝶たち。所詮毒なんてと思っていると、とてつもない効果であっという間に全滅します。また、時々出会う花たち。こいつらに先制されると全員眠り→大打撃→全滅となります。また、うかつに迷宮をうろうろしていると、中ボスを上回る強さのfoeに袋小路に追い込まれ虐殺されるとか。とにかく最近のRPGのバランスとは全く異なるのが実に新鮮かつなつかしい。ただ、これらが理不尽なバランスなのではなく、敵から逃げやすかったり、こちらの術法やスキルなどの工夫で抑制できるなど、プレイヤーのやり方で克服できるあたりがよくできていると思います。また、マップをすべて埋めてから先に進むようにすれば、モンスターに圧倒されるということもないあたりが、初心者への配慮でもあるでしょう。最下層の隠しボスたちはレベル上限もあって、それでは勝てないんでしょうが。

もっとも、他のRPGに比べると圧倒的に難易度は高いと思います。地味な内容ですし、とくに序盤は資金や戦力の不足でなかなか進まなくていらいらすると思うんで、そういう意味で上級者向けでしょう。RPGを長くプレイしてきた人、特に余談にあるような理由で昔をなつかしがれる人にお勧めです。自分はがっちりつぼにはまったので、高く評価します。

(余談1)
今を去ること20年前、ゲームブックブームというのがありました。リビングストンやジャクソンなどの欧米の輸入物から始まり、やがて国内の作家を生み出したものの粗製濫造とテレビゲームの隆盛で滅んだ先時代の遺跡。スティーブ・ジャクソンがよく用いた読者に問いを語りかけるようなテキストは、やる前は古臭いんじゃないのかなと思いましたが、別にそんなわけでもなく、面白さの根っこにあるものは媒体が違っても今も昔も変わらないのでしょう。ドルアーガのゲームブックとか昔やった人なら、今作は間違いなくはまれるはず。

(余談2)
QMAプレイヤーにはおなじみのブルボン小林氏がファミ通の連載の中でゲームには「ジャケ買い」が少ないというテーマでコラムを書かれていた際に、内容に興味があってもジャケットを見たら買えない例として本作を上げていました。一方で、このゲームの製作者は発売直前に、「キャラデザ、テキスト、ゲームデザイン、マッピング、音楽などすべて自分の好きなものを作った。それが合う人だけに手にとってもらえればいい」というようなコメントを残しています(ちょっと出典が見当たらない。公式ブログだったっけな…)。ブルボン氏ほどの手だれのゲーマーが結局手を伸ばさなかったことは、ある意味制作陣の意図どおりの完成度を物語るといえるのでしょう。


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コメント 1

くろーそー@ラスク

いろいろ大変だけど、面白いよ! と友達に勧められて、おいらも通勤の電車の中でひたすらやってました。<世界樹

B1Fのあいつらに全滅させられたのはいい思い出w
誰もが思う、ちょwここまで来たのに!

普通のRPGだとある程度レベルが上がると、まず全滅なんてしないけど、このゲームときたら・・・。お花ちゃんにボコられるなんて。

最下層のやつらが強すぎて、どうにもこうにもなので、しばらく休憩してまた1から始めてみようと思ってます。
by くろーそー@ラスク (2007-06-22 09:34) 

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