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西口引退によせて [野球]

西武西口が現役引退表明「気持ち的にはスッキリ」

西武の西口投手が引退を表明しました。現役続行という記事が出ていたから来年もプレーするのかなと思ってましたが。今年の登板は1試合だけでしたが、オープン戦から球のキレは良かったし、二軍での成績は昨年より遥かに良かったのです。まだできると考えたのは、決してファンの甘い見立てではなかったと思います。しかし、首脳陣は登板する機会を与えてくれませんでした。まあ、郭俊鱗は大卒ドラ1のようなものできちんと育てないといけないため優先しなくてはならないチーム事情はあるのですが、野上や牧田の代わりに試しても良かった。そういう意味ではファンとしては非常に不完全燃焼であり残念としか言いようがありません。

思い出、といっても特定の試合にまつわるようなものはあまりないのです。パーフェクトを逃した時はラジオを聞いていましたが、延長に入った時点である程度覚悟はできていました。一場や打線に不満たらたらでしたが、当人は淡々としているようでしたし、これも仕方ないのでしょう。ただ、それが西口の野球人生の象徴とされるのはファンとしては残念で。松坂の影にかき消されるような時期もありましたが、常にローテーションを守って淡々と投げている姿こそが、チームのエースの証明でした。自分の中でいちばん鮮明な記憶として残っていくのは、多分2011年のCS進出になると思います。2008年くらいから衰えは隠せないようになっていましたが、最下位に沈み借金は15というチームの苦境から、9月10月だけでCSに進出する原動力として復活しました。不調の投手陣を一人で引っ張っていったあの時の西口は本当に神がかっていて打たれる気がしませんでした。

スポニチの一面には「悲運のエース」と銘打ってあって、まあそれは3回もノーヒッターを逃したことを言っているのでしょうけど、それはあくまでも不運であって悲運ではないかなと思います。大きな怪我もなく常にチームを引っ張ってきたエースとしても、衰えながら一度は復活し43歳まで投げた稀有な投手としても、いつも個人の記録にこだわらなかった人間としても、西口という選手のキャリアに悲運という言葉は似合わない。もっと明るい前向きな言葉で飾られてほしいです。まあ、西口は自分の選手生活に修飾語なんていらないと言いそうですけど。


偉大なエースでした。あの独特のフォームがもう見られなくなるのは本当に寂しいのです。まだまだ見ていたかったけど、その決断を尊重し受け入れなければいけないのでしょう。

長い間お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。いつかまたグラウンドであなたのライオンズのユニホーム姿を見られることを期待して待っています。